日常を脱するための、上質な大人のエンターテインメントとは?

3年前、広瀬香美さんのチケットをとった友人に誘われたのがきっかけで、”ビルボードライブ”によく行くようになった。なんだかんだ毎年足を運んでいて、今年の夏は、ギター・ウクレレの木村大さん&名渡山遼さんのライブと、広瀬香美さんのライブを楽しんだ。最初に行った広瀬香美さんのライブにとても感動し、会場にあったアンケートに回答したら、翌年に招待チケットが当たった。当たったチケットは、akikoさんというジャズシンガーのライブで、知らないシンガーだったけれど、ジャズが好きだからそれなりに楽しめるだろうと思い、ほぼ興味がなかった旦那さんと一緒に行ってみた。すると、初めて”ビルボードライブ”に行った旦那さんはたいそう気に入ったようで、以降、夫婦でよく訪れている。このように、”ビルボードライブ”のマーケティングにすっかり巻き取られてしまったわけだが、私にとってはとても価値高い時間を過ごせているので、良さをお伝えしたい。

”ビルボードライブ”は東京と大阪にあるクラブ&レストラン。美味しい料理をいただきながら、上質な音楽を聴くことができる。お料理は割高でちょっとしたホテルくらいの価格帯だけれど、味はそこそこ美味しいし、この雰囲気で飲み食いするのだから許容範囲だ。写真のとおり、会場は暗い青がベースで、海外のクラブのような高級かつシックな雰囲気。ムードある演出が、海外に来ているような錯覚を起こし、日常生活の垢を落とすにはちょうどいい。出演するアーティストはハイレベルだから、1曲も聞いたことがないアーティストだとしても十分楽しめる。歌や演奏のうまさ、音の美しさからくる感動を味わうのに、事前に知っているか否かはさほど影響しないのだ。比較的小さな空間の音響設備は、大きなコンサートホールや野外会場とは異なり、五感に攻めあげてくるような迫力と、隣で囁いているような繊細さの両方を、感じることができる。

このように、”ビルボードライブ”は、ただ音楽を聞くだけでない、全体のサービスを楽しむ空間だ。好きなアーティストの曲を聴くためにコンサート会場へ行くのとは全く異なるエンターテインメントである。この究極の場づくりを経験することに価値がある。会場の雰囲気と設備、料理、店員のもてなし、といった会場側が用意した土台で、プロのアーティストがどのように自分のコンテンツで魅せるか、各人の世界観が見どころだ。プロのアーティスト、エンターテイナーというのは、歌や演奏が上手いだけでなく、究極の場づくりに長けている。200人〜300人くらいの空間を、どう仕切って観客を惹き込むのか、フロアをいかに一体化させるか、毎回ワクワクして楽しませてもらっている。

ある程度年齢を重ねると、ゆったりとしながら、五感で楽しめる上質な大人の遊びを楽しみたい。居酒屋でワイワイ飲む、野外フェスに並んだりするのも楽しいが、たまに、日常を離れられる特別なエンターテインメント空間に身をおいてみると、若い頃には感じなかった重厚な喜びがある。仕事帰りにふらっと行けるような場所にあるので、疲れが溜まった時に、気軽に訪れることができる。思ってる以上に気持ちよくリフレッシュできるので、病みつきになりつつある。こういう質の良いエンターテインメントを楽しめる空間は、海外に比べ日本は少なく、ビルボードやブルーノート(残念ながら、大阪のブルーノートは閉鎖したが)は貴重な空間だと思う。

この記事を書いた人

tomoko3

現代のエビデンス社会では認められていない本物の「自然の理」を実践中。
それは、水や光に学ぶことであり、なんにでも応用できる。
室内水光栽培士/結界士