時代は変わった。自分で考え行動しようーー『革命のファンファーレ』

今、話題の人と言ったら、この人だろう。『えんとつ町のプペル』という壮大な絵本をチームで生み出した、西野亮廣氏。吉本興業の芸人として有名だが、最近は絵本作家として名が知れている。芸人としてお笑いをメインに活動していた時は、正直なところ、あまり印象に残る芸人ではなかった。もちろん全国区で売れてTVにもよく出演していたが、失礼ながら、そんなに面白いと思った記憶はない。しかし、近頃の西野氏の言動は飛ぶ鳥を落とす勢いで世の中の話題になっている。炎上商法と言われているが、それも全て計算であり、彼の壮大なプロジェクトの1つにすぎない。この本は、西野氏が何を考えどうやって仕掛けを作り、いかに行動して結果を出してきたかという舞台裏が見える。今の時代の潮流を的確に捉え、誰でも理解できるようわかりやすく書かれている。

この本に書かれている、絵本『えんとつ町のプペル』の製作から販売まで一連の流れは、非常に緻密で美しい物語のようだ。現代の常識と仕組みを心底理解し、それをうまく利用した壮大なプロジェクト。その1つ1つの小さな仕掛けの裏側を、私見たっぷりに見せてくれる本だ。インターネットをうまく活用し、通用しなくなったひと昔前の常識をバッサリと捨てて、一歩先の未来を歩いているような内容だった。内容に新しい概念はほとんどなく、どの考え方もどこかで聞いたことある話ばかりだが、その実、説明がとてもうまい。自分が行動して考えたことからくる説明は、単なる概念の説明ではなく、体験記となっているので、訴えかける力が半端ない。学者や偉い人が書いた本との違いは、西野氏の行動力に基づくものであるため、論より証拠なのだ。

この本を読んで思うところは多々あった。1つのプロジェクトを動かすには、デザイン思考が肝となること。1つのことをやるのに、全てのプロセスを今の常識に当てはめなおしてデザインし直すこと。西野氏の絵本プロジェクトは、過去の常識を全て覆すものだった。この本を読んで世界は変わったと思った。概念ではなく、行動と結果という実になる部分ですでに変わったのだ。

この記事を書いた人

tomoko3

現代のエビデンス社会では認められていない本物の「自然の理」を実践中。
それは、水や光に学ぶことであり、なんにでも応用できる。
室内水光栽培士/結界士